マレーシア、ボルネオ島生き物探しの旅

マレーシアのボルネオ島のダナンバレー、世界自然遺産キナバル公園、ムル国立公園などで出会った巨大昆虫やヘンテコな生き物、珍しい生き物、食べ物、旅のエピソードなどを紹介しています。

セミの仲間

世界最大だと思ってたクロテイオウゼミ

2021/12/11

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世界最大のセミ「テイオウゼミ」に会いたくてボルネオに行って
1回目にして、見事にその目的は達成できた。と思っていた。

1967年7月20日発行の「原色昆虫百科図鑑」(小学館)には大きなセミの写真と
オウサマゼミ(Pomponia imperatoria ボルネオ産)という記述がある。

1967年といえば、私は10歳の少年です。

そのころから、ボルネオにはスゴイセミがおる、
いっぺん行ってみてゃーがや、と(名古屋弁)で思っておりました。

それから、時は流れ、オウサマゼミはいつしか
テイオウゼミという単語にすりかわっていきました。

そして、その上に「世界最大のセミ」という冠が
かなりの確率でついているのも
経験的に覚えていきました。

それから31年後、1998年8・9月合併号、
日本野鳥の会の雑誌「野鳥」にボルネオ旅行の広告が出ておりました。

7日間程度で16万円くらいだった。

ジャングルとか熱帯雨林とかいうことばも一緒にあった。

ボルネオに16万円?、安くないか?いまなら行けるぞ。となったのです。

それまではボルネオは南米かどこかでヒコーキを
何回も乗り換えて50万以上はかかるだろう、定年後くらいしか
無理だ、と勝手に思い込んでおりました。

旅行社に電話して、アレコレきいていたら、
おひとり様料金となって、20万円代後半になると言ってきた。
そんなこといわれたって、もうこちらは行く気満々なのである。

というわけで、初めてのボルネオ旅行となったわけだが、
一度でテイオウゼミに会えるとは思っていなかったものの
自分のロッジの電灯に飛んできたデカイセミがまさに、
それだった。

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー

おなか側はブカブカでヒグラシみたいです。

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー産

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー産

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー産

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー産

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー産

クロテイオウゼミ 1998年 ダナンバレー産

クロテイオウゼミ 2002年5月 ダナンバレー

クロテイオウゼミ 2002年5月 ダナンバレー

このころは、まだ世界一と信じていた。奥に見えるのはトラップ用クワガタ用ゼリー。

クロテイオウゼミ 2002年5月 ダナンバレー

クロテイオウゼミ 2002年5月 ダナンバレー

金粉もまだついており、新鮮な個体のようです。

クロテイオウゼミ 2002年5月 ダナンバレー

クロテイオウゼミ 2002年5月 ダナンバレー

フィルムの箱と比べてみてください。

なんという幸運、ついてる、
ガイドも確か英語でimperial cicadaと言ってる。テイオウゼミだ。

写真を撮ったり、さわってみたりと、夢がかなう、
とはこのことか、とか考えておりました。

死ぬまでに一度は、と思っていたので
死ぬかも、とも思ったのでした。

ところが、ところが

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2005年頃、豊橋市自然史博物館のホームページに
世界最大のセミの一種クロテイオウゼミという記述をみつけた。

早速、問合せしましたが、
要領をえない返事が返ってきたことはいまも覚えている。

質問は世界最大セミの「一種」とはなんだ、一種とは、
世界最大なら一種に決まってるだろと言う気持ちで

メールを書いたのです。

その後、ぐんま昆虫の森へ行って調べてもみましたが、
よくわからないままでした。

世界の昆虫Ⅰ 保育社 2006.4.6 ぐんま昆虫の森

世界の昆虫Ⅰ 保育社
2006.4.6 ぐんま昆虫の森

世界の昆虫Ⅰ 保育社 2006.4.6 ぐんま昆虫の森

世界の昆虫Ⅰ 保育社
2006.4.6 ぐんま昆虫の森

テイオウゼミとクロテイオウゼミの記述はあるが、
大きさについては書いてない。

世界の昆虫Ⅰ 保育社 2006.4.6 ぐんま昆虫の森 テイオウゼミ

世界の昆虫Ⅰ 保育社
2006.4.6 ぐんま昆虫の森 テイオウゼミ

世界の昆虫Ⅰ 保育社 2006.4.6 ぐんま昆虫の森 クロテイオウゼミ

世界の昆虫Ⅰ 保育社
2006.4.6 ぐんま昆虫の森 クロテイオウゼミ

ところが、2014年4月池袋に行ったときに寄ったジュンク堂書店に
「世界のセミ200種」大阪自然史博物館2007
という本を見つけてしまった。

世界のセミ200種 大阪市立自然史博物館2007 2014.5.14撮影

世界のセミ200種 大阪市立自然史博物館2007 2014.5.14撮影

2007年に行なった企画展かなにかの記念図録なのだろう。

タイワンヒグラシ属Pomponiaの中に6種が掲載されており、
デカ目のものはつぎの3つである。

テイオウゼミ Pomponia imperatria
頭の先から翅の先まで13センチの世界最大のセミ。
夜行性で灯りにしばしば飛来する。
発音活動も夜中に行われる。
巨大な体からはやはり大きな音が鳴るらしい。
音の抑揚そのものは、あまりない。
本種を含むテイオウゼミ群は他に3種ある。
分布:マレー半島
鳴き声:プゥワーン・プヮンプヮン・・・プヮーン

・・・・・・

ヒメテイオウゼミ Pomponia inpermedia

テイオウゼミ群の最小種。全長8センチ前後。
写真標本はタイ産。体長66ミリ。
分布:ミャンマー、タイ、ラオス。

・・・・・・・・・・・・

クロテイオウゼミ Pomponia merula
テイオウゼミ群の一種。全長10センチ内外。
体はテイオウゼミに比べ暗色。
体長66ミリ。
分布:ボルネオ島。

全長とは、頭の先から翅の先まで、
体長とは、頭の先から腹部の先まで、のことだろう。

これにより、自分は世界最大のセミの写真も撮った、
さわることもできた。鳴き声も聞いた。
とずっと、思い込んでいたプライドがガタガタと崩れ去るのであった。

ボルネオにはクロテイオウゼミしか、おらず、
しかもテイオウゼミより3センチも小さく

本物のテイオウゼミはマレー半島にいる、ようです。

クロテイオウゼミの鳴き声 ボルネオ島ダナンバレー
豆腐屋のラッパのように聞こえるのが、
クロテイオウゼミの鳴き声です。
夕方6時ころ鳴くので、6時ゼミとも呼ばれます。

「クロテイオウゼミではありませんが、
セミの声の記録がありましたので、
興味ある方はドーゾ。種類不明。
採取地:グヌン・ムル国立公園 2014.2.11

シカダ、シケイダといっているのはcicada(セミ)のことです。」

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