フタバガキ林
だいたい朝は濃い霧が支配する。
ボルネオのジャングルの朝は早い、
と書きたいところだが
実際の感覚は「遅い」。
なにしろ背の高い木、
フタバガキをが主流となる
高さ数十メートルの木々に囲まれているため
太陽が出てくるのが遅い。
木曽路はすべて山の中である、のと同じ現象ではないだろうか。
光が届くのは遅い。
ただ、音については6時ゼミが6時頃の
うす暗いうちから鳴きだしたり、
色んな鳥たちのさえずり、
なども聞こえてくるため、朝とわかる。
1998年12月 ダナンバレー 時間がたつにつれ、だんだん明るくなってくる。
山水画の世界から色つきの世界に変化する。
早朝はだいたい濃い霧がかかっており、
雨模様かと思うほどであるが
時間が経って明るくなるにつれて、
霧は晴れてきて山水画のような風景から
カラー豊富な世界が開けてくる。
だいたい6時に集合して、
朝食前のウォーキングに出かける。
途中の森は、いつも濃い霧のなかだ。
2時間ほど歩いて帰ってくるころになると
次第に明るくなり、今日も暑くなるな、
と日本の夏のような気分になる。
朝食を食べるころになるとすっかり夜は明け、
食堂のテラスの前の森にはサルやサイチョウが
現れては消える。
いつ、どんな動物がでてくるかはだれもわからないため、
双眼鏡とカメラはいつでもスタンバイした状態で食事をとる。
景色を眺めながらのんびり朝食、といきたいところだが、
そうもいかない。