マレーシアボルネオ島グヌンムル国立公園で出会った目まで緑のミドリゼミ 2017年2月
2017/06/30
目次
食堂に緑色のセミがいた
2月15日夜
ドラゴンダンス見学のあと、
土砂降りの雨のなか、
外の食堂で食事をすませ
公園内の
食堂によってみました。
夜になるとここの
食堂の灯りをめざしていろんな
虫がやってくるからです。
緑色のセミが
テーブルの上に乗っていました。
緑色のセミが食堂のテーブルにいた。↓↓↓
![ミドリゼミ 20172.15](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/DSCF1193.jpg)
ミドリゼミ 20172.15
![ミドリゼミ 20172.15](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/DSCF1191.jpg)
ミドリゼミ 20172.15
とりあえず写真を撮って、
部屋に持ち帰ってじっくり観察します。
パッと見は日本のツクツクボウシのような感じの
ほっそりした体形です。
大きさはもう少し大きくヒグラシくらいです。
持ってきた2台のカメラでストロボあり、なしなど
いろいろ撮っておきます。
目まで緑色した美しいセミです。↓↓↓
![ミドリゼミ 2017.2.15](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2374.jpg)
ミドリゼミ 2017.2.15
![ミドリゼミ 2017.2.16](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2640.jpg)
ミドリゼミ 2017.2.16
アップの姿も撮っておきます。
ほんとにボルネオの緑だらけのジャングルを
身にも目にもまとっているかのようです。
![ミドリゼミアップ 2017.2.15](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2392.jpg)
ミドリゼミアップ 2017.2.15
お腹側は少し黄色っぽいです。↓↓↓
腹弁は大きく、大きな声で鳴いてる姿が
想像できます。
オスです。
![ミドリゼミ腹側 2017.2.15](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2379.jpg)
ミドリゼミ腹側 2017.2.15
![ミドリゼミ腹側 2017.2.16](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2634.jpg)
ミドリゼミ腹側 2017.2.16
日本のヒグラシやツクツクボウシのオスは
お腹はスカスカで、
鳴き声の共鳴装置だけの
役割を果たしている感じがします。
が、このミドリゼミは
お腹のなかがつまっている感じがして、
日本のヒグラシやツクツクボウシとは
ちょっと違う感じがします。
大きさを測ってみる
翅の先まで5センチ、
体長33mmくらい。
![ミドリゼミ 2017.2.15](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2376.jpg)
ミドリゼミ 2017.2.15
クロテイオウゼミと並んで撮る。
クロテイオウゼミの腹部は鳥に食われて、ない。
クロテイオウゼミは、腹部があれば体長66mmくらい。
![ミドリゼミとクロテイオウゼミ 2017.2.16](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/IMG_2644.jpg)
ミドリゼミとクロテイオウゼミ 2017.2.16
電池も入れて撮ってみた。
電池は単3電池。
![ミドリゼミとクロテイオウゼミ 2017.2.16](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2017/06/DSCF1363.jpg)
ミドリゼミとクロテイオウゼミ 2017.2.16
ミドリゼミの分類学上の位置
大阪市立自然史博物館発行
「世界のセミ200種」によると
世界には2,000種のセミが知られている、そうです。
この本では、その10分の1を扱っております。
そして、緑色のセミについては
以下のような分類学上の位置で
まさに
ミドリゼミ属です。
緑色のセミの仲間はミドリゼミ属
セミ科 Cicadidae
セミ亜科 Cicadinae
ミドリゼミ Dundubiini族
ミドリゼミ Dundubiaria 亜族
Dundubiaミドリゼミ属 (東南アジア~インド、中国に19種。)
この本に載っているミドリゼミの仲間は
つぎのとおり、5種類います。
いずれも和名はついておらず、
学名も種小名がついていない種類もいます。
ボルネオにいるのは3種だけです。
番号は、この本に載っているセミの通し番号。
87.Dundubia.aerata
写真標本はボルネオ産。
体長32mm。
分布:スマトラ、ボルネオ、ジャワ島、マレー半島。
88.Dundubia.rufivena
体長24mm。
分布:マレー半島からニューギニア ボルネオ含む。
89.Dundubia.rafflesii
ボルネオに分布しない。
体長:45mm。
分布:ジャワ島、スマトラ島など。
90.Dundubia.sp.
標本はマレー半島産。
体長30mm。
91.Dundubia.vaginata
体長42mm。
分布:インド、中国、タイ北部、インドシナ、ボルネオ、フィリピン
89. はボルネオには分布せず、
90. は、ボルネオにいるかどうかも、わかりません。
ボルネオに分布するのは
つぎの3種だけです。
87.Dundubia.aerata
88.Dundubia.rufivena
91.Dundubia.vaginata
乾燥標本の写真でみると
目まで緑のミドリゼミは
この中にはおりません。
大きさからいうと、
87.Dundubia.aerataが一番近いのですが、
乾燥標本の写真では、
目はおろか、体まで緑色が抜けてしまって、
生きていた時の美しい緑色が想像できません。
というわけで、
グヌンムル国立公園で出会った目まで緑のミドリゼミの名前、
よくわかりませんでした。
私の観察では、
ボルネオにはミドリゼミの仲間は少なくとも
2種類はいます。
目は茶色のミドリゼミ 過去画像
もうひとつは、目は茶色のミドリゼミです。
胸部と腹部との間に白い線がある。
キパンディバタフライパーク 2012.6.27 ↓↓↓
![](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2015/06/IMG_0825.jpg)
ミドリゼミの一種 2012年6月27日 キパンディバタフライパーク
キパンディバタフライパーク 2012.6.27 ↓↓↓
![](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2015/06/IMG_0736.jpg)
ミドリゼミの一種 2012年6月27日 キパンディバタフライパーク
キパンディバタフライパーク 2012.6.27 ↓↓↓
![](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2015/06/IMG_0729.jpg)
ミドリゼミの一種 2012年6月27日 キパンディバタフライパーク
ダナンバレー 2002年5月 ↓↓↓
ミドリゼミの一種
2002年5月 ダナンバレー
ダナンバレー 2002年5月
白い線がないようにみえる。 ↓↓↓
ミドリゼミの一種
2002年5月 ダナンバレー
目まで緑のミドリゼミ 過去画像
キパンディバタフライパーク 2012年6月27日 ↓↓↓
眼まで緑のミドリゼミの一種 2012年6月27日 キパンディバタフライパーク
キパンディバタフライパーク 2012年6月27日 上と同じ個体 ↓↓↓
![](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2015/06/DSCF2756.jpg)
眼まで緑のミドリゼミの一種 2012年6月27日 キパンディバタフライパーク
ダナンバレー 1998年12月 ↓↓↓
![](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2015/06/IMG-02731.jpg)
眼まで緑のミドリゼミの一種 1998年12月 ダナンバレー
ダナンバレー 1998年12月 たぶん上と同じ個体 ↓↓↓
![](http://borneotabi.info/wp-content/uploads/2015/06/IMG-0274.jpg)
眼まで緑のミドリゼミの一種 1998年12月 ダナンバレー
ここに載せた目まで緑のミドリゼミは今回の
ミドリゼミと同じ可能性が高いです。
鳴き声はわかりません。
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過去記事 ミドリゼミの一種
91.Dundubia.vaginataのほかのサイトの写真
91.Dundubia.vaginataのほかのサイトの写真2 マレーシアサラワク
91.Dundubia.vaginataのほかのサイトの写真3 マレーシアサバキナバル 3:58に出ます。
いろいろ検索窓に打ち込んでみたけど
なぜか、Dundubia.vaginata ばかりがヒットする。
ほかによい画像や情報があったら教えてくださいね。