マレーシア、ボルネオ島生き物探しの旅

マレーシアのボルネオ島のダナンバレー、世界自然遺産キナバル公園、ムル国立公園などで出会った巨大昆虫やヘンテコな生き物、珍しい生き物、食べ物、旅のエピソードなどを紹介しています。

見どころ

マレーシア、ボルネオで採集した昆虫を日本に持ち帰っていいのか

2018/08/23

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<標本での日本持ち込みも規制されているキシタアゲハ>

アンフリサスキシタアゲハ雄雌(左)、キパンディバタフライパーク 2012.5.23

アンフリサスキシタアゲハ雄雌(左)、キパンディバタフライパーク 2012.5.23

基本的にはダメです

生きたままの昆虫の日本への持ち込みについては
おもにつぎの4つの法律(条約)で規制されています。
植物防疫法: 農作物の保護 ,検疫有害動植物の輸入の規制

外来生物法 :生態系や人への被害の防止 ,特定の昆虫類などの輸入の規制

ワシントン条約 :絶滅のおそれのある野生動植物の保護, 特定の昆虫類などの輸出入の規制

家畜伝染病予防法 :家畜の伝染性疾病の予防・まん延の防止 ,特定の動植物の輸出入の規制

生きたままの生き物は
生の野菜、果物と同様に
日本に持ち込むことはできません。

植物防疫法では、
生の野菜や果物についている病害虫などが
日本にきてから、日本の農作物に
悪影響を及ぼす恐れがあるため
生の野菜や果物、の
日本への持ち込みを
制限しています。
植物防疫法は農水省が管轄しており、
主に植物防疫所が実際の手続きについての
業務を行っています。

ましてや、生きている昆虫を
日本に持ち込むことは
その昆虫が日本にきてから
どんな悪さをするのか
わかったものではありませんから
基本的には御法度です。
そうでなくても、これだけ海外との行き来が
盛んになっている現在、
輸入食品や輸入木材などについてきた昆虫が
日本で害虫化した例も多くありますので
注意が必要です。

それでも、ホームセンターなどでは
外国産のクワガタやカブトムシなどが
販売されていますので、
許可をとれば、持ち込みの可能性はあります。
許可にあたっての書類としては、
輸入、持ち込みの生物の種類名、数量、目的などを
記入した紙面が必要と考えられます。

研究、教育目的などで持ち込みの必要があるとしても
個人の昆虫少年や昆虫娘、昆虫おじさんの要望にまで
答えてくれるかどうかは非常に厳しいハードルがあると
想像できます。

国公立の博物館、研究機関、大学、昆虫関連学会などの
名前を借りてのアプローチが有効かもしれません。

植物防疫法上はOKでも、ワシントン条約上ではダメなケースもある

植物防疫法では、死んだ昆虫標本は問題なしですが、
ワシントン条約では、
キシタアゲハ類やトリバネアゲハ類の標本についても
持ち込みが規制されています。

ワシントン条約の規制対象は生きている動植物に限らず
毛皮、皮革製品及び漢方薬も含まれます。

基本的に公務員は法に基づいて発言、行動し、
他の省庁の管轄事項については
口出しできない慣例がありますので、
農水省だけでOKもらったからといって、
すべてOKとなるわけではありません。

たぶん、
農水省ではキシタアゲハやトリバネアゲハの標本について
規制があることを知っていても、
植物防疫法上は死んでいればOKとだけ答えると思う。

なので
それぞれに問い合わせする必要があります。
それぞれの問い合わせ先について

それぞれの問い合わせ先については

以下に示しますので、参考にしてください。

植物防疫法:農水省
外来生物法:環境省
ワシントン条約:経済産業省
家畜伝染病予防法:農水省
植物防疫法 農水省

植物防疫法

農水省  生きた昆虫・微生物などの輸入について 植物防疫法

農水省
横浜植物防疫所業務部種苗担当 神奈川県横浜市中区北仲通5-57横浜第2合同庁舎内 045-211-7153
横浜植物防疫所成田支所 第1PTB旅客担当 千葉県成田市三里塚御料牧場1-1成田国際空港第1旅客ターミナルビル内 0476-32-6694
横浜植物防疫所成田支所 第2PTB旅客担当 千葉県成田市古込字古込1-1成田国際空港第2旅客ターミナルビル内 0476-34-2352
横浜植物防疫所成田支所 第1航空貨物担当 千葉県成田市駒井野字天並野2159成田空港合同庁舎内 0476-32-6690
名古屋植物防疫所種苗担当 愛知県名古屋市港区入船2-3-12名古屋港湾合同庁舎内 052-651-0132
名古屋植物防疫所中部空港支所航空貨物担当 愛知県常滑市セントレア1-1番中部空港CIQ庁舎内 0569-38-8439
名古屋植物防疫所中部空港支所旅客担当 愛知県常滑市セントレア1-1番中部空港CIQ庁舎内 0569-38-8433
神戸植物防疫所業務部本船貨物担当 兵庫県神戸市中央区波止場町1-1神戸第2地方合同庁舎内 078-331-2386
神戸植物防疫所関西空港支所航空貨物担当 大阪府泉南市泉州空港南1 0724-55-1938
神戸植物防疫所関西空港支所旅客担当 大阪府泉南郡田尻町泉州空港中1CIQ合同庁舎内 072-455-1936
門司植物防疫所輸入検疫担当 福岡県北九州市門司区西海岸1-3-10門司港湾合同庁舎内 093-321-2601
門司植物防疫所福岡支所福岡空港出張所航空貨物部門 福岡県福岡市博多区大字上臼井606福岡空港合同庁舎内 092-477-7577
門司植物防疫所福岡支所福岡空港出張所旅客担当 福岡県福岡市博多区大字青木739福岡空港国際線旅客ターミナルビル内 092-477-7575
那覇植物防疫事務所輸入検疫担当 沖縄県那覇市港町2-11-1那覇港湾合同庁舎内 098-868-2850

特にコガネムシ上科の昆虫についてはさらに
細かい情報を出しています。
コガネムシ上科には、カブトムシ、クワガタムシも
含まれます。
コガネムシ上科の昆虫の輸入について

ムネアカセンチコガネ科 Bolboceratidae
マンマルコガネ科 Ceratocanthidae
ホソマグソクワガタ科 Diphyllostomatidae
センチコガネ科 Geotrupidae
ヒゲブトハナムグリ科 Glaphyridae
ニセコブスジコガネ科 Glaresidae
アツバコガネ科 Hybosoridae
クワガタムシ科 Lucanidae
アカマダラセンチコガネ科 Ochodaeidae
クロツヤムシ科 Passalidae
フユセンチコガネ科 Pleocomidae
コガネムシ科 Scarabaeidae (カブトムシ亜科(Dynastinae)、テナガコガネ亜科(Euchirinae)、ハナムグリ亜科(Cetoniinae)などが含まれます。)
コブスジコガネ科 Trogidae

外来生物法

環境省 環境省 日本の外来種対策

環境省
環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室 東京都千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館 03-3581-3351(代表)
北海道地方環境事務所野生生物課 北海道札幌市北区北8条西2丁目札幌第一合同庁舎3F 011-299-1954
釧路自然環境事務所 北海道釧路市幸町10-3釧路地方合同庁舎4F 0154-32-7500
東北地方環境事務所野生生物課 宮城県仙台市青葉区本町3-2-23仙台第2合同庁舎6F 022-722-2876
関東地方環境事務所 埼玉県さいたま市中央区新都心11-2明治安田生命さいたま新都心ビル18F 048-600-0817
中部地方環境事務所野生生物課 愛知県名古屋市中区三の丸2-5-2 052-955-2139
長野自然環境事務所 長野県長野市旭町1108長野第1合同庁舎 026-231-6573
近畿地方環境事務所野生生物課 大阪府大阪市中央区大手前1-7-31OMMビル8F 06-4792-0706
中国四国地方環境事務所野生生物課 岡山県岡山市桑田町18-28明治安田生命岡山桑田町ビル4F 086-223-1561
高松自然環境事務所 香川県高松市寿町2-1-1高松第一生命ビル新館6F 087-811-7240
九州地方環境事務所野生生物課 熊本県熊本市尾ノ上1-6-22 096-214-0339
那覇自然環境事務所野生生物課 沖縄県那覇市山下町5-21沖縄通関社ビル4F 098-858-5824

日本の外来種対策
環境省HP
環境省 日本の外来種対策 各論

ときどきマスコミでも報道されている次の種を含む。
セアカゴケグモ、
アルゼンチンアリ
セイヨウオオマルハナバチ
カミツキガメ

 

ワシントン条約

<標本でも持ち帰りがワシントン条約により規制されている
アカエリトリバネアゲハ>

2012.7.26 アカエリトリバネアゲハ オス、ムル

2012.7.26 アカエリトリバネアゲハ オス、ムル

 

経済産業省の税関ホームページ
税関 ワシントン条約

ワシントン条約に関する詳しい問い合わせ先
経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 野生動植物貿易審査室
TEL:03-3501-1723 FAX:03-3501-0997

家畜伝染病予防法

農林水産省動物検疫所ホームページ http://www.maff.go.jp/aqs/
農林水産省動物検疫所ホームページ

マレーシア政府側の許可はとったのか?

日本の役所はOKとしても

マレーシア政府側の許可がとってないと密猟、密輸扱いになって

お縄になってしまいますので、注意が必要です。

私自身、グヌン・ムル国立公園内で捕虫網を振っていたら、

誰の許可を取ったのか、と真顔で詰問されたことがあります。

写真を撮るだけだ、と説明して事なきを得ましたが、

グヌン・ムル国立公園内での採集は基本禁止です。

 

基本的にはダメだが・・・

以上のように、海外で採集した昆虫などを生きたまま

日本に持ち込むのは基本的にはダメです。

でも、実際には、ホームセンター、ペットショップなどで、

外国産のカブトムシやクワガタムシなど売っています。

こららの昆虫が法律上どういう許可を取って

日本に上陸しているかわかりません。

なので、これら昆虫を扱っているお店や会社に

直接聞いてみるのもいいかもしれませんね。

まとめ

海外で採集した昆虫などを生きたまま日本に持ち込むことは

できません。

これは、持ち込んだ昆虫などが、日本の農作物や生態系に

悪影響を与える恐れがあるからです。

死んでいる標本のかたちでも、ワシントン条約などで

規制されている種類もあるので注意が必要です。

せっかくのおみやげが、成田などで没収となる可能性あります。

ペットショップなどで外国産昆虫を売っているのも事実なので

輸入方法などはそういうお店に聞いたほうが早いかもしれません。

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